排水管改修工事についての考察 |
平成24年5月1日
株式会社長谷工コーポレーション 技術研究所 山鹿 英雄 |
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長谷工グループは、マンションの建設から管理までの住まいのトータルサービスを行なっており、建物のリフォームについては(株)長谷工リフォームが担っています。(株)長谷工リフォームは長谷工コーポレーションの施工物件はもとより、他社施工物件の大規模修繕工事から個人の室内リフォームまですべての業務を行なっています。マンション管理を行なっている(株)長谷工コミュニティと連携して改修工事を行なう場合もありますが、その場合でも特命工事ではなく、入札を行い、工事を受けることが一般的です。
改修工事は築後12年目程度で第1回目の大規模修繕工事(主として躯体改修、外壁塗装、鉄部塗装、防水等)があり、24年を目処として第2回目の大規模改修工事(主な工事内容は1回目と同様)を行なうケースが多くあります。
設備関連の大規模修繕工事は共用給水管更新工事、給水システム変更工事、排水立て管更新工事、電気幹線改修工事などがあります。共用給水管更新工事の場合、赤水・漏水等の不具合の発生を受け、20年目程度で取替え工事が管理組合で議論され、実施される場合が多いようです。建築の大規模改修工事と同時期に行なう場合もありますが、通常は単独工事で進めることが多いようです。これは給水管更新の場合、仮設足場の必要がないことから建築の大規模改修と同時期に行なうメリットがないためです。排水設備については、25年から30年を経過した時点で水漏れ等の不具合が生じ始め、発生頻度が多くなった時点で管理組合がその対応について議論し、排水管の更新または更生工事を計画する場合が多くあるようです。この時代のマンションは長期修繕計画が作成されていたとしても排水管更新までは計画されておらず、修繕積立金に余裕のない管理組合が多いようで、不具合が頻繁に発生していてもすぐに着手できず、予算の目処付けまでに長期間を要しているのが現実のようです。
排水管の更生工事は更生工事専門業者に相談されるケースが多く、更新と更生を比較し工法選択されているようですが、予算との絡みで更新に比べコストが安く工事期間が短い更生工事を選択されるケースが多いと推測されます。
排水管のリフォームについては、一般的に1980年代以前に採用されていた白ガス管(配管用炭素鋼鋼管)によるドレネジ継手が寿命を迎えており、その取替え需要が多いようです。長谷工コーポレーションの施工物件では、1976年以降は排水立管として高耐久性管材である排水銅管、排水用鋳鉄管を採用しており排水立て管に対する更新需要は少ないようです。しかしながら、近年排水管洗浄に伴う洗浄ホースの磨耗による洗浄痕が立て管合流継手部に発生し、そこから水漏れが生じているケースの対応についての相談が多くあります。また、最近の傾向として、1970年代に高層マンションで採用されていたソベント継手やセクスチャー継手と呼ばれる特殊継手を用いたシステムが経年劣化により腐食し、水漏れ事故を起こし更新を計画されているマンションが増加しております。
長谷工リフォームの前進である長谷工コミュニティでは20数年前より設備の大規模修繕工事を行なっておりますが、10年前までは給水設備の改修工事が主流でありましたが、近年では排水管の改修工事が非常に増えてきています。2005年に排水立て管更新工法の「HAM-J工法」(建設技術審査証明取得)を開発し、積極的に営業活動を行ない排水管更新ビジネスに参入しています。
実績として2005年以降、現在までに16件の排水管改修工事を行なっています。
最近の受注案件では、HAM-J工法を応用した洗浄痕補修工法を採用する物件が多くあります。この工法は、排水銅管や排水鋳鉄管の洗浄痕に対するカバー工法で、洗浄痕以外の部位は健全であるにもかかわらず、今まで排水立て管を更新していた物件に対する更生方法として開発した長谷工リフォームのオリジナル工法です。
〜給排水設備更新のご相談は是非長谷工に〜
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HAM-J工法 工法バリエーション |