油圧式エレベーターのリニューアルについて |
平成28年7月20日
株式会社エレベータシステムズ 営業部 古川 寛倫 |
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はじめに
近年、設置後20年〜30年が経過した油圧式エレベータのリニューアル工事にあたり、既存の設置メーカーから高額な費用と多くの停止期間を必要とするリニューアル提案がなされていることが多い。
弊社にも、もっと良い工事方法がないか?といったお問い合わせが多いため、極力低コスト、短工期で施工できるリニューアルの方法を解説した。
1.既設メーカーの提案パターン(油圧式→ロープ式マシンルームレス)
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【交換箇所】 |
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かご、レール、シリンダー、電材一式、ワイヤー一式、油圧ユニット、制御盤、乗り場押しボタン、乗り場扉 |
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【再利用箇所】 |
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乗り場敷居、乗り場三方枠 |
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【リニューアル内容】 |
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既設の油圧エレベーターの大部分を交換(撤去)することにより、ロープ式のマシンルームレスエレベータに交換する。 |
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【メリット】 |
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新品同様に生まれ変わる。使用電力がダウン。 |
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【デメリット】 |
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高額な工事費用がかかる。停止期間が長くかかる。(約1ヶ月) |
2.お客様の反応
上記の既設メーカーの提案を受けて、高額な工事費用などに戸惑いながらもそのまま受け入れてしまうお客様がほとんどである。
しかし中には、
なぜ油圧エレベータをロープ式のマシンルームレスにしなければいけないのか?
その他の工事方法、工事会社はないのか?
といったことに疑問を感じてインターネットを使って検索を始めるお客様も増えています。
3.油圧式のままでのリニューアル(弊社推奨仕様)
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【交換箇所】 |
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電材一式、ワイヤー一式、油圧ユニット、制御盤、乗り場押しボタン |
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【再利用箇所】 |
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かご、レール、シリンダー、乗り場敷居、乗り場三方枠、乗り場扉 |
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【リニューアル内容】 |
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既設の油圧エレベーターを最大限利用することにより、機能的に最新の油圧式エレベータに生まれ変わらせる。 |
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【メリット】 |
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低コストで工事が行なえる。工事期間が短くてすむ。(1週間ほど) |
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【デメリット】 |
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使用電力はかわらず。 |

4.まとめ
油圧式エレベータの新規設置台数の減少に伴い、既存の油圧式エレベータをロープ式のマシンルームレスエレベータにリニューアルするというのは、メーカー側の都合によるものが大きいといえる。
そのため、使用電力の削減などを大きくうたって提案をしているが、工事価格の差額や停止期間を考えるとそれほど魅力的なメリットとは言えない。
お客様ごとに事情がちがうため、一概にどちらの工種を選択した方が良いとは言えないが、色々な角度から検討し、建物の寿命にあわせた最適なエレベータリニューアルの方法を選択して頂ければ幸いです。
以上
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