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専有部分の維持管理について

平成25年9月1日
株式会社建物保全センター 保全部係長 檜谷 史夫

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(1) 排水管洗浄業務は専有部設備の維持管理に携われる唯一の業種

 

マンション入居後、7〜10年位してくると、どこかしこに綻びが生じてくる。

クロスやフローリングの張り替え、家具や家電の買い替え、水廻りのリフォーム等をする様になる。

見えるところは一見新築同様になるが…排水口廻りはどうだろうか?

そこで、我々の排水管洗浄業務という仕事が活きてくる。専有部に居住者以外で入り、考察できる唯一の業種ではないだろうか。

 

 

(2) 給水シャワーホースの水受けタンク

 

水廻りの要の台所や洗面器の下には、シャワーホースを使用していれば水受けタンク(写真1)が設置されている。しかし、リフォーム等では業者のほとんどが関わらない。理由としては、新しいから漏れることはない!と言い切っていくそうだが、そこはあり得ないと考える。使用者(家族構成)によって考えるべきである。ここで、タンクの水抜き(写真2〜5)等を怠ると下階への漏水事故につながる。

写真1、写真2、写真3、写真4、写真5

 

 

(3)ディスポーザの劣化

 

ディスポーザ(略称DSP)の普及から10数年が経過し、劣化が進んでいる。

DSPはシンク下に設置されており、引出しタイプのシンクでは、居住者自身がチェック出来難くなっている。

トラップ部のフランジにヒビ(写真6)が入ってしまうこともある。これはDSPの振動によるものではないかと考える。

本体の中の歯車やケース(写真7)が割れてきてしまう劣化もある。

写真6、写真7

 

 

(4)台所排水口のオーバーブロー配管の劣化

 

蛇腹ホースは細工が簡単に行えるので重宝している部材の一つではあるが、劣化もしやすいのでメンテナンスがよく必要になる。

写真8、写真9

オーバーブロー配管(写真8・9)の接続部が劣化すると、排水の度に漏水してしまう。洗浄作業時では、応急処置としてビニルテープを巻く等する。

 

 

(5)洗濯防水パンの劣化

 

居住スペースをどう考え・使うかにもよるが、洗濯防水パンのサイズは640×640が多くなってきている。そこで起こる問題が大型洗濯機により排水口(写真10・11)が隠されてしまう。排水不良が起こっても発見が遅れてしまう危険がある。そこで、大型ドラム式洗濯機を使用するときは、嵩上げ防水パン(写真12)や嵩上げ用ブロック(写真13)の設置が必須条件である。また築年数の経っている防水パンでは、ヒビ割れ(写真14)や排水トラップの臭気止めのパッキン(写真15・16)も劣化してくる。

写真10、写真11、写真12、写真13、写真14、写真15、写真16

 

 

(6)洗面器の劣化

 

洗面器自体の劣化や物を落としてのヒビ割れ(写真17・18)や、ポップアップの不具合(写真19・20)等がでてくる。使用者の注意により防げるものと部材の劣化によるものとあるので、使用年数だけでない観察が必要になる。また荷物の入れ過ぎによるトラップ配管への接触にも注意が必要となる。

写真17、写真18、写真19、写真20

 

 

(7)浴室排水口

 

浴室排水口に鋳物トラップを使用している物件は、劣化の進行が著しい。写真21・22では更生工事を行ないワントラップも鋳物から樹脂製の物に変更させた。また、写真23・24のように臭気止めパッキンの劣化もあり、洗浄作業時に切り詰めることにより延命処置を行なった。

写真21、写真22、写真23、写真24

 

(8)考察・提案

 

リフォームや家電の買い替え等は、専有部内のことであり居住者が各々でしていくことと考える。ここで、住戸内の共通設備については、管理会社や組合がマンション全体のクォリティーを高める為として、築年数による劣化設備の総取り替えを考えていくことはできないだろうか?

洗浄作業時に気付いたことは、その都度居住者に伝える(応急処置も含む)ことはもちろんの事、洗浄報告書に提案事項として提出をしている。これには、洗浄時にヒアリングを含めたチェックを行ない、会社にてデータを蓄積しているからこそ出来ることである。

組合としても、どんなタイミングで設備の劣化が始まり、いつ改修を検討すれば良いのかという疑問に対して、提案していくことが出来る。

一例として

  • 配管リフォーム時のロングエルボの使用提案
  • DSPの一斉交換
  • 洗濯防水パン(給水栓の高さ)の交換

マンション全体で考えることによって、コストを抑えることも出来ると考える。

 

排水管洗浄というのは、配管の適切な使用によって使用継続年数の延命を図ることにつながっている。ここで洗浄という業務にとどまらず、水廻りの維持管理まで含めたことを考えることで、住戸全体の財産価値の向上にもつながっていく。居住者の永く安心して生活できる環境づくりの一役を担えればと考える。

 
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