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マンション再生のキーワードは「シェアリングエコノミー:もったいないの精神」

平成29年7月1日
積水工業株式会社 マンション管理士 金子 信次郎

 

1.はじめに

 

 分譲マンションストック600万戸時代になり、日本における住宅事情も大きな転換期を迎えつつあります。日本の人口が劇的に増加をしない限り、避けては通れない、大きな問題が起きることになります。

 人口の減少や高齢化を無視する形で供給し続ける新築住宅。人口が増えないのに、新築住宅は毎年増える。需要と供給のバランスが崩れていくことは、誰でも分ることです。

住宅の空き家問題が大きくなることは予想されていたことです。その問題が社会問題にまでなりつつあるのが厳しい現実です。

 戸建住宅に比べ区分所有建物であるマンションの場合、問題をさらに大きくしてしまう傾向があります。

 但し、技術革新や世界情勢の変化により、新たな可能性が生まれつつあります。

 IOT・AIの活用・シェアリングエコノミーの流行等々、住宅産業においても新たな変化が起きる可能性がでてきています。

 今回、このような可能性について、数多くの等価交換事業、マンション設備工事業に携わってきた私の意見をお話します。

 

 

 

2.これからのマンションが抱える大きな課題について

 

  (1)空き家の増加
    誰でも予想できることです。人口が増えていないのに、新築住宅が増えれば、当たり前の話し。住居系のマンションを他のサービスに転用しない限り、この需給関係のアンバランスは続くことになる。「住む」だけでなく、「使う」を促進することが大事。
  (2)管理不能マンション(限界マンション)
    空き家の増加→管理費・積立金の滞納増加→管理運営と修繕計画に悪影響がでる。
当該マンションの資産価値低下を招き、中古転売もできない負の資産になる。
しかも固定資産税や管理費積立等負債が毎年増え続けるという恐ろしい死産になる。リゾートマンションでは既に限界マンションが増えている。
  (3)マンションのスラム化
    限界マンションから離れる住民が増え、マンションのスラム化が起きる。
マンションの社会資本という面からも大きな問題になる。

 

 

 

3.課題克服への3つの戦略(3S戦略)

 

前項の課題に対して、共同住宅だからこそできる3つの戦略があります。

持続可能な社会をつくるための要請・命を脅かすリスクから守る・共有文化の醸成・
この3つの戦略(3S戦略)とは、

  (1)SAVE
    地球を守る為に何をしなければならないのか?
    1)省エネ&環境性能強化
2)創エネ(地産地消)&蓄エネ
3)再利用
4)自動化
5)エネルギー自由化(エネルギーが選択できる時代に)
  (2)SAFE
    大地震、津波、豪雨災害、犯罪の増加、孤独死、人間として生きる上で、最低限守られるべき基本性能が見直される時代になります。
    1)耐震性&防災
      地震はいつか必ず起きます。潰れない対策、復旧対策等々。
マンションは木造住宅よりも安全性能が高い。
非常時の備蓄にもむいている。
    2)耐火性
      マンションは元来耐火性に優れた建物です。延焼にも強い。
    3)防犯性
      玄関入口が一箇所で、共用部も監視し易い。監視カメラ技術の向上により、確実に犯罪は抑制されつつある。マンションは戸建てに比べ監視し易い。
    4)地域拠点
      防災面におけるマンションの役割は非常に大きい。なぜなら、
     
1)水… 給水車の補給拠点として、緊急遮断弁を取り付けた受水槽等貯水施設として利用の可能性がある。
 
2)排泄… 簡易トイレ施設を有している場合の携帯用トイレの備蓄施設として利用の可能性がある。
 
3)食物… 非常食の備蓄施設として、炊き出し等効率良く平等に食料を分配する場所として利用の可能性がある。
 
4)人… 相互扶助、規則、防犯、人海戦術、人の多さを生かした各種活動の場として利用の可能性がある。
 
      また、地域活性化の一環として、マンション共用部を活用する例も非常に多い。
大型マンションにおいては、組合とは別に自治会等を組織して、地域拠点の役割を積極的に受け入れている事例もある。
  (3)SHARE
    人・物・お金・時間・場所がITとAI技術の急激な発展により、様々な活用可能な資源が動き始めています。眠っていた資産(土地に限らない)も動き始めています。
元々、戸建住宅よりも規模的な優位性を持ったマンションは様々な変化への投資も可能であり、シェアという観点からすれば、様々な可能性が見えてくる。

 

 

 

4.シェア戦略を受けて、シェアリングエコノミーの活用ついて詳しく説明していきます。

 

シェアリングエコノミーとは様々なサービスや資産を交換して、お互いの生活環境をより良くする経済活動だと考えています。

様々なものやサービスを、時間を超え、場所を超え、提供していく。

  (1)日本はもともと「シェア世界」
    「もったいない」という言葉があるように、日本には昔からモノを長く使い続ける文化=SAVEの文化が存在しました。
「困った時はお互い様」「お裾分け」「お祭り文化」のように、痛みや楽しみを共有(シェア)する文化も根付いています。
長屋暮らしをイメージしてみて下さい、正にシェアハウスです。トイレや水場等を共有し、お互いが気を遣い共存していた時代です。
  (2)シェアを阻む「所有」文化
    マンションの本当の利点は何か、規模?高さ?豪華な共用部?コスト?
戦後復興から高度経済成長を経る過程において、不動産を所有することに対する日本人の意識は大きく変化していった。一国一城の主として、持ち家を持ちたい。
「土地神話」とまで言われた、日本人の不動産に対する意識。あくまでも「所有」にこだわる文化はシェア文化日本を塗り潰してしまった。
  (3)これからは「シェア」文化。「使う=利用」文化を大切に。
    今までの資産価値はあくまでも需要と供給のバランスで決められていた。人口が増える=需要が増える、だから所有しているマンションの資産価値も上がるはずであった。時代は「持つ」から「利用」に移り変わった。利用価値がないもの、利用者がいないものには価値がない。価値がないから再投資もしない。修繕も進まないままにマンションはスラム化を迎える。
こういった話はマンションだけの話ではない。車を持っている人いますか?
利用することによってうまれる付加価値でその価値は変わる時代なのです。
スマホを考えてみて下さい。スマホ自体に価値があるのではなく、スマホを利用して初めて生まれるサービスにこそ価値があるのです。フェイスブックなり、Uberなり、スマホを介して生まれるサービス自体が大事なのです。
  (4)様々なシェア文化
    シェア文化×自動化×技術革等々様々な要素の組み合わせ(掛け算)により新たなサービスや価値が生まれつつあります。こういったサービスが国境を越えて提供される時代、世界から取り残される前に、日本古来のシェア文化の復活を待ちたい。
    1)カーシェア&ライドシェア
     
[1]Uberの配車サービス
  自動運転機能付のタクシーも試験運用を開始している。
2020年に空飛ぶタクシーの運用開始を目指している。既に運用に関して、協定を締結している国々があるようです。
[2]ライドシェア(相乗りタクシー)
  白タクシーか?
[3]タイムズカーシェア
[4]カーシェア&乗捨てサービス
  東京で借りて仙台で乗捨ても可能に
[5]UberEatsの出前サービス
  余った時間で、余った自転車を借りてサービスを提供する人もいる。
[6]Mobike(自転車シェア)
  中国とシンガポールで稼動台数は450万台
一日の利用回数2000万回ものすごいスピードで急成長
自転車は環境性能も非常にいい。健康性能も良い。
[7]おもしろレンタカー
  高級外車のレンタル専門
    2)ルーム(スペース)シェア
     
[1]Airbnbの活用は全世界で広がっている。世界では常識なのか?
[2]シェアオフィス・シェアハウスも流行中。
[3]今まで貸すという概念が全く無かったものも貸せる時代。
  お城を?廃墟を?無人島を?自宅を?様々な場所を貸すサービスが始まっている。
[4]一度でいいからという夢を実現することができるかも
    3)民泊
      [1]日本の厳しい規制の中で発展するかどうか?
[2]外国旅行=贅沢旅行と考えているのは日本人だけかも。
[3]戸別に管理し易いマンションは民泊対象建物としては有力。
    4)レンタル・派遣
      車・洋服・スキル、レンタルできるものは広がりつつある。
持つ必要が無くなりつつある。
    5)フードシェア&シェア冷蔵庫
      日本人では考えられないが、中国やヨーロッパにはシェア冷蔵庫なるものがある。食品の廃棄物を減らすことにもなる。要らない食材を入れて置き、他の人が利用する。日本人もかつてはお隣さんに醤油を借りていた時代も。
    6)ジョブシェア&タイムシェア
      自分の余った時間、余裕のある時間を誰かの為に使う。自分のスキルを他の所で活用する。相手は世界中にいる。
    7)エネルギーシェア
      マンションならではの投資規模が新たなエネルギー供給体制をつくる。
     
[1]共用部太陽光発電利用
[2]地域で蓄電
[3]エネルギーを使い切るのは結構大変。余ったエネルギーを持ち寄ったら、
  意外と大きなエネルギーになる可能性もある。
[4]EV用の電源コンセントはマンションでは常識になる。

 

 

 

5.シェアリングエコノミーから生まれる新たな評価制度が新たな信頼関係を生み出す

 

シェアの世界では、貸す側と借りる側がお互いに評価することが当たり前。口コミ。

お互いがお互いを評価すること前提に利用するから、緊張感が生まれたり、新たな付加価値が生まれたりする。

その評価の過程で信頼関係が生まれ、更に新たなサービスが生まれる可能性がある。

「お客様第一主義」「お客様は神様」お客様に偏重したサービスの提供の仕方は大きく変わる。お互いを信頼のおけるパートナーとして位置づけることで新たな価値が生まれる。

 

 

 

6.最後に、マンションこそシェア文化の導入を

 

マンション=共同住宅。マンションはもともと共有・共存の価値観から生まれたもの。一緒だからこそできることを追求して行けば、所有から利用へとシフトして行けば、マンションという一つの建物に拘らずに、地域全体のシェアリングエコノミーの中心拠点として再構築していくことで、マンションの再生は少なからず進むと思われます。

以上

 
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