1.はじめに
最近の水道施設はインフラの整備、水質の向上により浄水処理後の水道水をできるだけ短時間に各家庭やマンション、ビルなどに送り水道水の滞留になる受水槽や高置水槽の撤廃を推進しています。
そこでリニューアル計画の際に撤去した受水槽の跡地の有効利用を考えることが課題になってきています。ここでは跡地の有効利用について考えます。
2.利用例
- 受水槽が外部にある場合、羊羹型のコンクリート基礎がありますが、コンクリート基礎まで解体し整地のうえ駐車場、駐輪場として使用
- 受水槽が外部にあるが場所が悪く、駐車場としては使えない場合、プレハブ等の簡易建物を増築し、集会場施設にする。
- 建物内部の地下受水槽の場合、鉄骨階段を設け地下室とし、防災倉庫として使用する。
3.高架水槽の場合
- 高架水槽の場合は撤去しても屋上、もしくは塔屋の屋上にあるため階段でいける場所であればよいが、マンホールからタラップで上るようなケースは危険であり有効活用できない場合が多いように思われます。
- アクセスが良ければ(エレベーターと階段の使用で行ける場合)プレハブ倉庫を設置し防災倉庫等に使用できます。
- 消防補助水槽への転用
連結送水管や屋内消火栓への初期消火のための消防補助水槽として使用する。
ただし水量が多すぎる場合が多く水位を下げるだけでは過大すぎて大量の死水を保管することになり好ましくない場合が多い。
4.実際の受水槽解体写真例-1

5. 実際の受水槽解体写真例-2

解体状態

撤去、整地状態
上記写真のケースは基礎解体後、整地を行い既存床面と撤去床面をフラットにできたことと駐車場からのアクセスが良かったため跡地を駐車場にできました。
6.集会場施設にするために必要な設備
- 流し、トイレの設置が必要
- 空調換気設備の設置が必要
- 上記に伴う電源の設置が必要
特に 1. の流しやトイレは元が受水槽であったため排水設備が近くになく、一番近くの排水桝へは勾配が取れない場合があります。勾配が取れないということはどんな優秀な配管業者をもってしても施工不可能です。
こんな時便利なのが弊社が販売している圧送排水ポンプユニット「どこでもえーす」です。
圧送ポンプユニット「どこでもえーす」は排水勾配に関係なく、トイレ、シャワー、洗面台、流し台が設置できます。
また、排水をポンプで圧送するため、地下に設置できるので地下にトイレを設置する事も可能です。しかも臭いの発生源になる汚水槽が必要ありません。
「どこでもえーす」の採用によりあきらめていた集会場施設の設置が可能になりました。以降で「どこでもえーす」をご紹介します。
7.「どこでもえーす」の特徴について
- どこでもえーすは使用用途により三相200V、単相200V、単相100Vの仕様から選択可能です。様々な使用条件に合わせてポンプの選定を行います。
- 200Vグラインダー式専用ポンプは、排水固形物はもちろんタオルの布地等もを破砕して排水する能力がありますので、詰りの心配がなくポンプアップ排水管のサイズを40Aまで細くすることが可能です。
- 排水ヘッダーに直接専用ポンプを接続したシステムで水位検知にて、自動的かつ即時に圧送排水するため臭気は発生しません。
仮にポンプが運転できなくなっても、ポンプの故障が制御盤に表示され、安全装置により給水が停止致しますので、排水ヘッダーより汚水があふれ出ることはありません。

「どこでもえーす」イメージ図

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