これから築30年以上経過したマンションの排水管修繕需要が増えてくることが予想されますが、築30年以上経過したマンションは修繕しなければならない事項が数多く発生し、ほとんどのマンションが資金不足に悩まされることになります。
共用排水管は専有部内に敷設されていることが多く、排水管を取り替える為には、数日間の入室工事、内装工事が伴い、居住者にもっとも負担を強いる修繕工事であると言えます。
その為、排水管修繕の検討が先送りになり、3回目の大規模修繕工事と同時期に実施しなければない、多額の工事費用が一気に必要になる、検討するもなかなか住民合意が得られない、など合意形成には多大な労力が伴います。
排水管を取り替える工事を検討するも、資金的にも住民負担的にも話が進まない「負のスパイラル」が発生致します。
このような悩みを抱える原因として、排水管の実態が理解されていないことが上げられます。
写真①は専有部内排水横引き管です。マンションでは排水管洗浄を年1回以上行っているところが多いと思います。写真②は排水管洗浄を行った後の専有部排水横引き管の写真です。排水管が塩ビ管で表面が滑らかな為、内部に付着したスライムがきれいに除去されています。
写真③は専有部から共用竪管を撮影した写真です。写真④は排水管洗浄後の共用竪管の内部です。共用竪管は金属製で、表面に発錆とスライムが複合して形成されており、排水管定期洗浄ではなかなか落とすことが出来ないのが実情です。
写真⑤⑥は鋳鉄製継手の穴あき写真です。この穴があいた原因は、経年劣化では無く、排水管定期洗浄にあります。無理な洗浄が結局は排水管を傷めてしまう原因となってしまいます。このような状況から、下記ような「負のスパイラル」が発生してしまいます(資料①)。
排水管内部の閉塞の写真を見せられますと、「取り替えしかない」と思われるかもしれませんが、実際には「穴があいた原因は定期洗浄が原因」「排水管そのものはまだ肉厚もあり、内面の付着物を除去すればまだ使える」状態にある場合があります。
まだ使える排水管を機能を向上させてかつ、取り替え工事の負担を軽減させるのが、排水管更生CSC工法の最大の特徴です(資料②)。
CSC工法の汚れが付きにくいメカニズムは、2012年8月1日のコラムにて説明をさせて頂いております。抗菌材投入により汚れの付着を抑制し、過剰な洗浄で配管を傷める可能性が無くなります。
CSC施工後の排水管内部の状況(資料③)を確認したところ、定期排水管洗浄未実施の運用でも排水管内部が抗菌コートの作用できれいな状態に保たれていることが確認できました。
タイコーではお客様へ排水管の状態をきちんと正確に説明し、単に工事を薦めるのではなく「負のスパイラル」の仕組みと解決方法を説明し、排水管の悩みを解決していきたいと考えております。
また業界には、排水管の種類、定期メンテナンスの仕組み、取り替え工事、更生工事、に精通した「排水管スペシャリスト」が案外少ないように思われますので、当社では排水管のすべてが説明できる「排水管スペシャリスト」を育成して参ります。 |