【エポキシとは?】
エポキシ樹脂は非常に優れた樹脂です。主な特徴をあげてみます。
・主材と硬化剤の組み合わせによって特性を幅広く変化させることができる。
・揮発性有機化合物の発散が少なく、毒性や引火性が少ないので扱いやすい。
・揮発性物質がほとんど出ないので硬化収縮率が小さい。(寸法安定性が高い)
・耐熱、耐水、耐薬性が優れている。
このように優れた特性を合わせ持つ樹脂はエポキシ樹脂以外には無いと言われています。
エポキシ樹脂は電気・電子部品・宇宙航空機などの最先端テクノロジーをはじめ、自動車・船舶・建築土木・家具などに幅広く使われています。
また2種類の液を混合して使うエポキシ系接着材としては多方面に利用されています。
材料、金属、ゴム、ガラス、皮革、紙、織物、セラミックなどに対して接着力は強力です。
欠点としては、硬化時に時間がかかるという事があげられます。
【硬化剤】
エポキシ樹脂は単独で用いられることはほとんどなく、硬化剤、硬化促進剤、粘度希釈剤、充填材、などの配合材と組み合わせて始めて優秀な性能を発揮します。
エポキシ樹脂の工業的応用分野において硬化剤の選択は非常に重要な因子となっており、その種類は多い。硬化剤は反応機構、硬化方法(加工条件、主として温度)、化学構造、硬化樹脂の性能、用途などによって分類する事が出来るが、特に決まった方法がある訳ではありません。
【給水管と排水管の再生工事におけるエポキシ樹脂の違い】
給水管については、日本水道協会の上水試験方法(JWWA規格)の溶出試験方法に合格してなければなりません。
それに対して排水管は、規則がありません。排水管については耐薬品性を高める様にしているメーカーが多いようです。
硬化速度については、給水管はダレ防止等を考え、硬化速度を早める様にしているメーカーもあるようです。
【樹脂の特性比較】
(表1)の特性をまとめると以下の様になります。
[1]エポキシ樹脂
・卓越した接着性、機械的特性、電気絶縁性を持つ。
・硬化時の収縮が少ない。
・耐アルカリ性が大。
[2]ビニルエステル樹脂
・耐酸性、耐アルカリ性に優れる。
・伸び率は不飽和ポリエステル樹脂より大。
・機械的強度に優れる。
[3]ポリエステル樹脂(不飽和ポリエステル樹脂)
・耐薬品性に優れる。
・耐アルカリ性に優れる。
参考文献 |
: |
下水道コンクリート構造物の腐食抑制技術及び防食技術指針・同マニュアル |
編 著 |
: |
日本水道事業団 |
【終わりに】
エポキシ樹脂を噴露状にして吹き付けるのには難しい部分があります。
エアーを用いるにしても、高圧をかけるにしても装置が大型化してしまう難点があります。
硬化にしても、温度管理や適量を守る必要性があり、硬化までに夏場は3時間、冬場は4時間を要します。以上の欠点があるにもかかわらず(表1)でもわかる通り、特性の全てを共有している合成樹脂は他に例がありません。
これからは難点である部分を克服していきたいと思っています。
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