弊社ではマンション、アパートなどの集合住宅の排水管洗浄業務を行っております。近年、集合住宅、オフィス、飲食店舗等の複合施設ビルが増加傾向にありますが、今回弊社にて複合施設物件のトイレ系統の汚水系統排水管の洗浄作業および管内TVカメラ調査を実施した結果についてご説明をいたします。
物件概要
都内ビル物件(集合住宅・事務所・店舗)
12階建 築17年
排水管材:VP管 アルファ鋼管継手
用途:事務所
今回、竣工後初めて排水管洗浄を実施した。小便器系統に接続されている洗面器排水が排水不良を起こしており、洗浄作業および排水管内のTVカメラ調査を行い、管内の閉塞状況についての調査をあわせて行った。
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小便器系統排水横枝管 |
管内テレビカメラ調査 |
● トイレ小便器系統
小便器下横枝管への尿石の付着が著しく、配管に完全に固着し閉塞しており高圧洗浄では除去できない状態になっていたため、トーラーを使用して破砕処理をして除去した。横枝管の尿石についてはほぼ除去することができたが、管内に勾配不良の箇所が多く排水が滞留しやすくなっており、その場所で尿石が固着し閉塞してしまっている箇所が多く見られた。
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管内に付着した尿石等 |
立て管への合流付近 |
● トイレ洋式便器系統・トイレ洗面器系統
カメラ調査を行った箇所については管内の閉塞は見られなかった。
一般的には便器洗浄時に13〜20Lの洗浄水を流すため、管内に汚れが堆積しにくいと言われているが、カメラ調査の結果もほぼ同様の傾向となっていることが確認できた。一部勾配不良箇所にトイレットペーパー等の残留がみられたが、便器洗浄を数回行うことで流れて行くことが確認できた。
● アルファ鋼管継手について
管内面の塗膜が膨らんでいる箇所や剥げて腐食が進行している箇所が確認された。今後、塗装の塗膜の劣化や鋼管の腐食の進行状況によっては管に穴が開く可能性があり注意する必要がある。
尿石は配管に固着してしまうと除去することが大変困難になるため、尿石付着防止のための対策として定期的な洗浄作業を実施する等の対策をすることで適正な維持管理をしていく事が必要となります。また、高圧洗浄ホースを挿入する箇所や尿石を配管から取り出すために掃除口が設置されていない場合も多く、洗浄作業ができず配管の交換が必要となり多額の修理費用がかかるため注意する必要があります。
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