1.200年住宅法案の公布
2008年12月5日に法律第87号「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が公布されました。長期にわたり良好な状態で使用するための措置が、その構造及び設備について講じられた優良な住宅の普及を促進するためのもので、いわゆる「200年住宅」の普及促進を図るものです。わが国の住宅の耐用年数は欧米に比べて短く、英国では70年位、米国では50年位なのに対して、日本では30年〜40年と言われています。高度経済成長期には、「国民は壮年期に新築住宅を取得し、定年を迎える頃にさらにもう1戸を新築する。従って住宅の耐用年数はこれに見合っていれば良い」との典型的なスクラップ&ビルドの考え方がありました。この発想を180度転換し、2世紀にわたって住み続けるということは、住宅としての物理的な耐用年数や維持管理手法に留まらず、町づくりや地域づくりまで含めた計画が重要なポイントになるように思います。
スケルトン部分を200年もつようにしっかり作り、設備や内装は20年を目途に更新し、その時代にあった形で次世代にバトンタッチしていくことは、長期間にわたり良質な住宅を使うことができ、環境にもやさしく、まさにストック時代の住宅政策と言えます。しかし、まず住まい手の住宅に対する意識改革が必須となるほか、容易に更新可能な設備を実現するためのコストを正当に評価していただく必要があります。施行後には税制上の優遇措置もあるようですので、国のバックアップを基に何とか普及して欲しいと願っています。なお、この法案は公布の日から6ヶ月以内に施行されることになっています。
2.超長期住宅先導的モデル事業における基本性能基準
法案の公布に先立ち国土交通省では、超長期住宅先導的モデル事業の募集を行っています。この事業の趣旨は、「いいものをつくってきちんと手入れして、長く大切に使う」というストック社会の住宅のモデルを提示し、技術の発展に資するとともに普及啓発を図ることとしています。このモデル事業における基本性能基準として、内装・設備の維持管理の容易性については、「維持管理対策等級(専用配管・共用配管):等級3相当以上の措置が講じられていること」、また、変化に対応できる良質な居住空間としては、「更新対策等級(共用排水管):等級3相当以上の措置が講じられていること(更新を容易にすることに特に配慮した措置)」としています。
集合住宅では排水管の更新が最もやっかいとなります。共用排水立て管は各階の床スラブを貫通して配管され、排水は自然落下により上から下へ流下します。共用排水立て管の工事中は、工事階より上階では排水を流すことが禁止されますし、はつりを必要とするケースでは、住戸の中での騒音や粉塵は相当なものとなります。超高層となれば工事期間も長期となり、居住者への苦痛は計り知れないものがあります。従って、維持管理や更新を考慮した排水システムを予め構築しておくことは、きわめて意義深い技術であります。少なくとも付着物による管狭小化が著しく、清掃や更新の必要性が高い台所流し系統だけでも、この対策をしておくことは将来のために大切なことだと思います。
3.排水管の更新工法/KJ・US工法
住宅の品質確保の促進等に関する法律に規定する評価方法基準として、更新対策等級(共用排水管)の等級3に要求される水準として以下の対策が示されています。a. 更新時のはつり工事、配管切断工事等を軽減できる措置がとられている又は、増設更新を行うことができること。b. 構造躯体に影響を及ぼすことなく共用排水管の更新を行うことができること。c. 専用部分に立ち入ることなく共用排水管の更新を行うことができること。
これらに適合する方法としてKJ・US工法を提案します。当該工法は、2体型の規制リブ付排水用特殊継手(KS.HQ)、規制治具(KJ)、受口付ソケット(US)により、呑込代70mm+やり取り代60mm=130mmが確保されることによって、排水立て管のやり取り更新が可能となる上、排水用特殊継手の先行施工も可能となります。
3-1. 2体型の規制リブ付排水用特殊継手(KS.HQ)
KS.HQの下部差し口の下端から130mm上方に規制リブが設けられています。(呑込代70mm+やり取り代60mm=130mm)KS.HQは上下2体に分割できる構造となっており、上部継手を取り外し、下部継手内の旋回ガイド部を点検・補修することができます。床スラブを貫通して設置された鋳鉄製の排水用特殊継手は、上記の維持管理を行うことにより、約60年の耐用年数を見込みます。
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3-2. 規制治具(KJ)
更新時に必要となるやり取り代60mmを予め確保しておくための治具です。新築時に、受口付ソケット(US)の上端面に仮乗せし、その上に上階のKS.HQを積み上げて支持した後、規制治具(KJ)を取外します。マーキング線を引いたり、係止バンドを取付ける等の手間が省けます。
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3-3. 受口付ソケット(US)
呑込代70mm、下方へのやり取り代60mmを備え、更新時にOリングパッキンが癒着した際には、揺すって剥がすこともできる更新用ソケットです。
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3-4. 新築時・更新時の施工手順
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共用部のPSであれば、排水立て管を切断することなく、更新することもできます。
●詳細は下記にお問い合わせ下さい。
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●本社 http://www.kojima-core.co.jp |
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〒454-0027
名古屋市中川区広川町5-1
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