1. はじめに
減圧弁は、集合住宅等の建物でおのおの給水箇所(各戸)に対し均等圧力にて給水し、圧力に係わる弊害を少なくするため、一般的には各戸のメータ廻りに設置されています。特に最近は、止水栓、逆止弁、減圧弁等ユニット化したメータユニットとして設置されていることが多くなっています。
しかし、減圧弁は、長期的に性能を確保する為、ストレーナ等ごみ詰まりやゴム等摺動部分の点検等を定期的(2 年ごとをお勧めします)に行う必要があります。特に新設時においては、ストレーナのごみ詰まりや設定圧力の確認等の作業が多く、また長期使用中における圧力変動や住居引渡し等に対する確認作業が必要になる場合もあります。
その点検で特にお問合せの多い項目と基本的な項目について、当社減圧弁KD-23 を例としてその方法についてご紹介いたします。
2. 保守・点検方法
1)設定圧力の確認(図−1)
[1] |
2 次側給水栓を開け、通水を確認した後、2 次側の給水栓類を全て閉じる。 |

(図-1) |
[2] |
圧力計取付けねじ部の内ねじキャップを外し、圧力計を右回しで圧力が表示されるまでねじ込む。 |
[3] |
2 次側の給水栓の1 ヶ所を開き、水を流してからゆっくり閉じる。 |
[4] |
圧力計を読み設定圧力を確認する。 |
[5] |
圧力計を左回しで外し、内ねじキャップを元の位置に押し込む。 |
2)ストレーナの掃除(図−2)
[1] |
1 次側のバルブを閉じ、2 次側の給水栓類を開けて圧力を抜く。 |

(図-2) |
[2] |
ストレーナ部の下に2 次側からの戻り水を受ける容器を置く。 |
[3] |
ストレーナキャップを左回しで緩めて抜く。手で回らない場合は、ドライバー等の工具を使用して下さい。 |
[4] |
ストレーナ内の異物を取り除き、元の位置にストレーナを入れ、右回しでしっかりと締めつける。 |
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[1]で開けた給水栓類を閉じ、1 次側のバルブを開ける。 |
[6] |
ストレーナキャップ周辺からの水漏れが無いこを確認する。 |
[7] |
[設定圧力の確認]を行う。 |
3)減圧弁内の異物除去
[1] |
2 次側の給水栓を1 ヶ所開け、水が流れることを確認する。 |
[2] |
1 次側のバルブを閉じ、閉じたバルブをゆっくりと2〜3 回繰返し開閉操作し、水を流す。 |
[3] |
[ストレーナの掃除]、及び[設定圧力の確認]を行う。 |
4)設定圧力の変更(図−3)
[1] |
2 次側給水栓を開け、通水を確認した後、2 次側の給水栓類をゆっくりと全て閉じる。 |

(図-3) |
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キャップを左回しで外し、圧力計取付けねじ部の内ねじキャップを外す。 |
[3] |
圧力計を右回しで圧力が表示されるまでねじ込む。 |
[4] |
2 次側の給水栓の1 ヶ所を開き、水を流してからゆっくり閉じる。 |
[5] |
圧力計を読む。 |
[6] |
調節ねじを半回転する。右回しで設定圧力は高くなり、左回しで設定圧力は低くなります。 |
[7] |
2 次側の給水栓の1 ヶ所を開き、水を流してからゆっくり閉じる。 |
[8] |
圧力計を読み、希望する設定圧力になるまで[6]〜[8]を繰り返す。 |
[9] |
希望する設定圧力を確認したら、圧力計を左回しで外す。 |
[10] |
内ねじキャップを元の位置に押し込み、キャップを元の位置に右回しでしっかり取付ける。 |
3.まとめ
減圧弁は、保守点検が必要な製品とご理解の上、新しく設置する場合においてはそのスペ
ースの確保と、計画を決め2 年ごとや入居時等に実施してください。
なお、保守・点検方法については、製品より異なる場合が多いので添付の取扱説明書で確認するか、その製品の製造元に都度ご確認してください。 |