『納期はどれ位かかるの?』、『寸法は取りに来てくれるの?』、『間違えた場合現場での対応ができるの?』現場との遣り取りのなか必ず出てくる言葉です。ステンレス加工管のメリットは軽量で施工性が良い、現場でのゴミ(残材)の発生を極力抑える、など寸法通りに収まれば非常に使い勝手の良い代物である。しかし、現場の状況、改修工事のような工期が短く調整管を使いながらの施工が時間的に間に合わないなどの理由で製作に入るケースが多々あります。発注を受け、製作したが寸法が合わないため廃棄処分。作り直しをしてまた納入待ち、などの時間的ロスが発生する。図面を書いている時間がない。メーカーとの細かい打ち合わせが必要だ。と言った声も聞かれます。
現場の声から生まれた『SUSメイト』
今から5年位前になりますが超突貫工事の現場にステンレス加工管を納入している時の話です。何しろ工期がなく寸法を取って図面を書いている時間がない。加工管の納入を待ってもいられない。現場での溶接作業が出来れば良いが、溶接出来る環境(安定した場所、バックシール時、風の影響を受けないなど)が整ってもいないし、溶接工もいない。
『在来工法のように継手とパイプさえあれば現場でうまく収めるんだが…』との声もあり、
グルービングの溝付け加工のみであれば特殊な技能も必要なく、溝の管理(グルーブマシンを納入時講習を行います。)だけを徹底すれば可能ではないか?後は規格化した継手の製作が可能かどうかの話だけで、継手のアイテムで多少時間が掛かりましたが、そんな現場の声から『SUSメイト』が誕生しました。
施工事例
『SUSメイト』納入現場【平塚ラスカ】(平塚駅ビル)

用途 |
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空調配管(テナント用食料品冷却水)、井水 |
配管場所 |
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屋上冷却塔廻り、ピット内 |
口径 |
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150su〜40su 約1200m |
材質 |
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SUS304TPD |
ハウジング |
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SUS製 |

現場からの声
今回『SUSメイト』を選定された理由を聞いたところ、
- 何しろ工期がなくテナント閉店後工事と昼間の工事とが平行しての作業のため効率良く、手待ち時間をなるべく少なくしたかった。
- テナント従業員用エレベーターを工事期間中使用のため鋼管に比べ軽量で取り扱いやすいステンレス(薄肉管)鋼管にしたかった。
- 現場での加工が可能な物にしたかった。
マンションリニューアルの分野でも埋設など掘削、配管後すぐに埋め戻しをしなければならない場所などに使用されています。ハウジングの数が増えるため保温ラッキング使用の箇所は加工管、隠蔽部や埋設など目に見えない箇所では『SUSメイト』とうまく使い分けをしている現場も増えてきました。
しかし、ニッケルの高騰によるステンレス管の値上げが続き客先のステンレス離れが心配です。
何かまた新しい管材を考えなければと日々頭を悩ませています。
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