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新着・技術情報/コラム

15年間実際に使用した架橋ポリエチレン管の劣化調査と更新性の検証

2006年12月25日
三井住友建設株式会社 建築本部設備部部長 塚本 幸助

 

 当社では、集合住宅にサヤ管ヘッダー工法を適用してから21年になります。このほど、15年経過した架橋ポリエチレン管の劣化調査と、サヤ管ヘッダー工法における更新性の検証試験を行いましたので、ご紹介します。

 今回の調査・検証の目的は、以下の2点です。

[1]当時、架橋ポリエチレン管の耐久性は工場試験の範囲でおよそ30〜40年と推定されていましたが、実使用管でこれを確認すること。

[2]実使用管の更新性に問題はないか、検証すること。

 調査は、1990(平成2)年に竣工した有料老人ホームの浴室シャワーカラン系統分岐管壁埋め込み部に採用したサヤ管ヘッダー工法について行いました。

 実使用管の経年劣化調査は、[1]引張試験、[2]曲げ試験、[3]塩素・酸素劣化について行いました。有料老人ホームが記録したおよそ11年間の水質データーによると、塩化物イオン濃度(mg/L)はデーター数167、最大値37.5、平均値11.0(給水管の浸出液に係る基準値200以下)、残留塩素濃度(mg/L)はデーター数51、最大値0.6、平均値0.19(快適水質項目の目標値1.0以下)でした。金属腐食に影響することはあっても、架橋ポリエチレン管の劣化に影響を与えるほどの水質ではないと考えられました。

 給水管・給湯管・新管の引張試験の結果、給湯管の降伏強さがわずかに高いだけで、ほとんど差がみられませんでした。曲げ試験の結果では、給湯管の曲げ強度がわずかに大きい値となりました。

 走査電子顕微鏡(SEM)による調査から約1μm以下のボイドの存在が確認されましたが、クラック等は認められず塩素・酸素劣化は確認できませんでした。熱老化試験・引張試験の結果、これまでの使用条件が継続するとすれば、給湯管の残存寿命は約60年と推定されました。

 実使用管の更新性については、シャワーカラン側から管を引き抜き、プッシュプルゲージで測定した結果、実使用管は、新管と比較すると20〜30%引き抜き抵抗が大きいことがわかりました。また、引き抜き抵抗の大きさは管の劣化によるものではなく、曲がり癖によるものと判断されました。(表1)

 

表1 浴室配管引き抜き力測定結果(kg)(サヤ管は22A)

水栓NO

系列

実使用管10A

新管10A

新管13A

給湯

29.81

22.27

49.77

給水

36.17

23.64

46.97

給湯

-

-

-

給水

19.32

15.81

40.54

 

 集合住宅における更新性を検証するため、モデル配管6ラインを組み、高温水循環により曲がり癖をつけた管の押し引きによる引き抜き力を測定しました。配管条件は、架橋ポリエチレン工業会の「設計・施工マニュアル」に基づく、全長15m、最少曲げ半径400mm、立ち上がり部半径150mm、曲げ個所数水平4箇所、立ち上がり部2ヶ所としました。引き抜き力は67.3〜101.7kgf、またはオーバーロードとなりました。(表2)

モデル配管立ち上がり部
写真1 モデル配管立ち上がり部

表2 モデル配管引き抜き力の測定結果(kg・f)(管は13A、サヤ管は22A)

曲げ癖処理品

新管

配管
ライン

配管通り

サポート無し
ヘッダー側

押し引き

配管通り

サポート無し
ヘッダー側

押し引き

A

101.7

OK

79.99

OK

B

オーバー

OK

85.90

-

OK

C

オーバー

OK

88.06

-

OK

D

オーバー

OK

オーバー

-

OK

E

67.3

OK

83.30

-

OK

F

95.8

OK

53.57

48.3

OK

 今回調査の範囲では、[1]架橋ポリエチレン管は、実使用管の調査対象と同等の給湯温度、給湯時間、塩素濃度等の条件であれば、予想以上の耐久性を持っている、[2]サヤ管ヘッダー工法は管の更新を大きな目的として開発されましたが、集合住宅では引き抜き作業を行う場所が狭く適正な作業姿勢がとれないため、大きな引き抜き力を出せないことが予想され、管の引き抜きは想定以上に困難、と言えます。

 

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