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【最新コラム】
■(2020.12.4)
『フェライト系ステンレス鋼鋼管SUS430LXTPを使用した雨水排水管の紹介』ノーラエンジニアリング株式会社 技術部 新井 隼介

【コラム
 バックナンバー】
■(2019.8.22)
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■(2019.7.1)
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■(2019.5.1)
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■(2019.3.1)
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■(2018.12.19)
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■(2018.11.5)
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■(2018.8.6)
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■(2018.7.1)
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■(2018.5.1)
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■(2018.3.1)
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■(2018.2.1)
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■(17.11.1)
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■(17.9.1)
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■(17.7.1)
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■(17.2.20)
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■(16.12.18)
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■(16.10.20)
『給湯システムに使用する自動弁について』株式会社ベン 鈴木 弘一
■(16.9.1)
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■(16.8.1)
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■(16.5.1)
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■(16.3.1)
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■(16.1.1)
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■(15.11.1)
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■(15.9.1)
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■(15.6.1)
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■(14.11.1)
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■(14.5.1)
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新着・技術情報/コラム

HAM-J工法採用第1号案件を振返って

2006年8月29日
株式会社長谷工コーポレーション 山鹿 英雄

 

 雑排水管更新工法である「HAM-J工法」を開発し、はや2年が経過しました。
この工法は、私が社内の異動で技術開発室に配属された3年前に開発を着手し、MERMの前身である勉強会で、排水管の更新工法を開発したいと言ったのがきっかけでした。
この開発にはMERMのメンバーの絶大な協力がなければなしえないものでした。
その経緯を少し紹介したいと思います。

 集合住宅の給排水設備の更新については、皆様もご存知のように、まずはじめに給水管の赤錆や異種金属接合による腐食が問題になり、それらを改修する工法としてライニングによる更生技術が開発され、数多くのマンションで採用されていますが、現在では腐食に強く、錆びづらいステンレス管に取り替えることを選択する管理組合が多いと聞いております。一方、排水管は住戸内を貫通している関係から、中々更新工事等ができず、場当たり的な補修で何とか持たせていることが多いというのが現状でした。

 この排水管のリフォーム技術を開発するきっかけとなったのが、排水管の更新現場を案内してくれたMERMメンバーであるクリエイト(元クボタ)の佐藤さんでした。関西の須磨にある5階建て階段室型の公団住宅で給排水の更新を居ながら施工を行なっている現場でした。この作業を見学し感じたことは、排水管の更新は室内の床をハツリ壊すことから始まり、とても居ながらでは高齢者が多く住まわれている現状では精神的なストレスが溜まり大変だ、ということでした。

 この見学から床を壊さず、床に埋め込まれた継手部分を更生し、直管部分のみを取り替えることを考え、配管更生技術を研究し始めました。その際参考となったのが、やはりMERMのメンバーである管材新聞の玉城さんがまとめられた、排水管更生技術特集記事でした。その中から複雑な形状でも配管ライニングができるマルナカさんの「ショートマルライナー」技術に着目し、その技術を応用することを考え中尾社長に相談、今回の工法の概要がまとまりました。次に新管と既存更生管の接続です。これもMERMのメンバーであるジャパンエンヂニアリングの南雲社長から紹介を受けていた「NO-HUB継手」でした。欧米では非常に実績が多い突合せ継手ですが、日本ではいまいちなじまず普及に今一歩到っていない継手ですが、リフォーム工事では使い勝手が良く、これを採用して工法の確立を目指しました。幸いなことに、弊社には住宅性能試験棟が越谷市にあり、又、ジャパンエンヂニアリングの各種実験装置を利用させていただいたことで、モデル配管施工や各種性能検証実験等を行い、商品化することができました。

 このように、この「HAM-J工法」はMERMの会員の皆様の技術とご協力のおかげで生まれた工法です。昨年3月に開催したMERMの第1回シンポジュウムの席で発表させていただき大きな反響を頂戴したのですが、開発完了後1年経過し、引き合いがあるものの採用案件がなく、歯がゆい思いをしておりました。

 昨年夏、何とか実績を作ろうと社内でプロジェクトを作り(プロジェクトと言っても営業の担当者と3名の組織でしたが)、何が要因なのかを調査したところ、少し条件が合わないとHAM-J工法でのリフォーム工事をあきらめ、他の更生工事や更新工事の提案に切り替えてしまう営業担当者の採用に向けての熱意が足りないのではないか?開発者自らが営業に出なくては早期の実現はできないと思い、当時、長谷工のホームページを見て引き合いのあった横浜市のM団地(440戸)にターゲットを絞り、受注活動を行ないました。

 まず工法を解りやすく紹介したプレゼンテーションツールを作成し、勇んで理事会に参加し工法説明を行いましたが、素人のかたがたに理解を得る難しさを痛感いたしました。
理事の方の中からキーマンが誰であるかを見極め、その方とメールのやり取りを重ねて行くうちに、管理組合の要望が見え、このままHAM-J工法を押し通しのでは難しい、工法を改良する手法を提案、実際のモデル施工実験を見ていただき今回の受注につなげることができました。(実に受注までの半年間に20数回のメールのやり取りを行ないました。)

 特に最近はネット社会であり、便利さがある反面、ネットを通じ関連する知識が簡単に入手できる時代になっています。工法の優位性を評価いただくためにできるだけ多くの情報を与えることが必要だと思いますが、それが反対に混乱を招く原因となったりする、営業の難しさを感じながら、入居者の立場に立った考え方で物事を捉えることの重要性を再認識いたしました。

 準備工事も含め5月15日から7月31日まで約1ヶ月半、工事に際してご協力いただいたトウネンキの森本社長をはじめ皆様にこの場をお借りし感謝申し上げます。

 この工法が良質な住宅のストック形成に貢献できる技術になるよう大きく育てて行きたいと考えております。

 皆様のお知り合いで排水管のリフォーム等をお考えの管理組合がありましたら是非ご相談ください。宜しくお願いいたします。

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